


コレコレプロデュースアイドル『コレって恋ですか?』2回目のライブ『コレ恋LIVE!! vol.2』レポート(2019年12月1日)
小規模のライブ配信スタジオはもちろん、個人配信者向けの決定版とも言えるオールインワンAVストリーミング・ミキサーが登場しました。
今回はRoland(ローランド)が発表した『VR-1HD』を発売前にレビュー(2018年3月発売予定)。株式会社ライバーでライブ配信番組のテクニカルディレクターを務める制作スタッフにテスト使用してもらい、気になる「オート・スイッチング」機能についてもチェックしてみました。
『VR-1HD』の基本スペックはこちら。
『VR-1HD』は3系統のHDMI入力を搭載。カメラやPC、ゲーム画面など様々な解像度に対応しています。
アナウンス音声には2系統のXLR入力を搭載。1系統はトップパネルに配置されています。
今回はこちらの配線図の通りに機材をつないでみました。
『VR-1HD』で注目なのが、マルチカメラ演出のスイッチングをサポートする「オート・スイッチング」機能の3つのモード。
“ビデオ・フォロー・オーディオモード”では、AUDIO INとVIDEO INが連動し、マイクに向かって話している人が映ったカメラに、自動で映像を切り替えてくれるように設定ができます。
さらに、2人が同時に話している場合や、誰も話をしていない場合には、2人が一緒に写っている別の映像に切り替えることも可能です。
ソースが限られているため出演者が多いと対応できませんが、クロストークや、インタビュー形式の配信には最適な機能だと言えます。声が被って会話がガチャガチャすると、映像がこまめに切り替わってしまうこともありますが、音声オペレーターなしで進行できることを考えれば非常に便利です。
特に声が被らないようにコントロールする立場のMCがいる番組であれば、かなり精度の高いスイッチングが実現できそうです。また、一定時間は音声に反応して映像が切り替わらないように、任意の秒数を指定することも可能。さらに、映像の切り替えが適用される声量(マイク感度)を設定できるため、相づちレベルの声量には反応しないように調整するのも良いかも。スイッチングはオーバーラップとダイレクトカットが選択できます。
個人のYouTuberであれば編集の手間が省けるし、ライバーにとっても専門のオペレーター要らずでハイグレードな映像が配信できちゃいます。
自動切り替えモードには他にも、あらかじめ決めたタイミングで順番に、あるいはランダムに映像ソースを切り替えることができる“オート・スキャンモード”。
さらに、演奏やBGMなどのテンポに合わせてカメラを自動的に切り替える“ビート・シンクモード”が搭載されています。これは音声から自動的にビート(拍子)を抽出するローランド独自の技術なんだとか。
この技術は演奏に同期した動画編集ができるiOSアプリ『Beat Sync Maker(ビート・シンク・メーカー)』にも使われているそうです。
シーン切り替え機能のプリセットには、子画面の合成(PinP)や画面分割(SPLIT)など、最大5つの画面構成を設定可能。小画面の位置や大きさも自由に調整ができます。
対戦形式のゲーム実況であれば、先ほどの“ビデオ・フォロー・オーディオモード”とこのシーンのプリセット機能を応用し、ゲーム画面を大きく映しながら喋っている側が小画面の中に映ったレイアウトを組み合わせた演出が可能です。
ちなみに、マルチビューワの機能がないため、複数の映像ソースを1台のモニターで確認することはできません。手動で映像を切り替える場合には注意が必要です。
その他、音のバランスを整えてくれるオート・ミキシング機能、音割れを防ぐコンプレッサーや声の高さや声質が調整できるボイス・チェンジャーなどオーディオ・エフェクト機能も搭載。
非圧縮フルHD1080/30pで出力可能なUSB3.0ポートを装備しているため、キャプチャーボードなしでPCと接続し、すぐさまライブ配信を開始できるのも嬉しいポイント。
企業のPRなどでライブ配信を試してみたいと考えている人でも、業務用の大きな機材を持たずに手軽に配信を始めやすそう。
市場想定価格(税込)が18万円程度と、個人で購入するにはややハードルが高いかもしれませんが、最小限の操作で誰でも使いやすい設計コンセプトは魅力的です。